第14回「業界展望-創薬」 オーファンドラッグが主役となってきた米国薬品市場

当社は「大阪大学の研究成果を活用した事業」を行うベンチャーを投資対象としております。投資候補先の事業が対象とする業界の動向や市場性、成長性等については、当社は、専門的見地から分析を行う担当者を配置して投資検討を行なっています。

この分析担当者の執筆により、随時、サイエンスレポート「業界展望」をお届けしております。今回は第14回です。


 

オーファンドラッグが主役となってきた米国薬品市場

 

科学の進歩に伴い、発症機序が明らかになった疾患はこの20年間で5倍に増えたと言われる。ありふれた疾患であると考えられていた集団の一部が希少疾患として分類されたことも一因となっている。これらの希少疾患の治療に向けて新規の薬剤はどのように開発されているのだろうか。米国では新薬開発でオーファンドラッグが牽引車となっている。 1999~2018年に米国で承認された新薬(新規分子化合物)を対象とし、オーファンドラッグの推移を調べた。下の図はオーファンの承認数をオーファン以外と比較したもの。

多少の増減はあるが、オーファンドラッグの承認数は2010年までは5前後だ。2011年以降は10品目以上になる年が増え、2018年は34品目へ増えた。オーファン以外の新薬の数には明確な傾向はない。新薬に占めるオーファンドラッグの割合は、2014年以降はほぼ40%以上で推移し、2018年は初めて50%を超えた。

米国の新薬数は2018年に59品目で過去最高となったが、これはオーファンドラッグが牽引したとも言える。 では、オーファンドラッグのオリジネーターはどのような企業であろうか?ベンチャー(大学を含む)とそれ以外の従来型の製薬企業に分けてみた。

両者間に差はないが、ベンチャーの貢献はより大きい(2011年以降のオーファンドラッグの57%がベンチャー由来)。一方で、オーファン以外の新薬のオリジネーターは2010年までは従来型の製薬企業が多く、2011年以降は差がない年が多い。

疾患の細分化や優遇措置により、新薬として承認されるオーファンドラッグが増加している。ベンチャー企業がオリジネーターとして大きく寄与している。時期を同じくしてオーファン以外でもベンチャー企業が存在感を増しており、オーファンドラッグの研究がベンチャーのドライバーになっている傾向が強まっている。

[OUVC投資部第三グループ調査役 西角文夫]

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