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シンクサイト株式会社への投資を実行しました

シンクサイト株式会社への追加投資を実行

大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:神保敏明)を無限責任組合員とするOUVC1号投資事業有限責任組合(以下「OUVC1号ファンド」)は、シンクサイト株式会社(以下「シンクサイト」)(本社:東京都文京区、代表取締役社長:勝田和一郎)に対し315日付で追加投資を実行しました。

ゴーストサイトメトリー法(GC法)とは

シンクサイトは国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「JST)の戦略的創造研究推進事業・さきがけにおける、大阪大学大学院情報科学研究科の堀崎遼一助教らによる研究成果である「ゴーストサイトメトリー法(GC法)」に代表される細胞分析・分離に関する技術を基に20162月に設立されました。

GC法は、蛍光画像など暗い対象も高速に撮影できる新しい単一画素圧縮撮像手法であるGMI法(Ghost Motion Imaging)を利用しています。「画像を見ずに細胞形態を知る」というコンセプトのもと、機械学習による情報処理技術を活用した高速かつ正確・安価なイメージングデータ処理法です。

生命科学研究や希少細胞の検出による医療診断、安全かつ安定的な細胞・再生医療の研究において、従来では顕微鏡やセルソーター(フローサイトメトリー技術)が使われていました。しかし、人が顕微鏡で対象となる細胞を確認しながら手作業で分取する方式は、スループット(単位時間当たりの処理量)が大変低く、人の目によるために再現性にも課題があります。一方、セルソーターは数十年前に実用化され高いスループットを実現していますが、細胞の蛍光イメージ情報といった多次元の情報を分析することはできません。これらの課題を解決し、細胞・再生医療研究や製造を正確かつ迅速に進めるためには、大量の細胞の中から多次元の情報に基づいて単一細胞を分析し、選択的に分取する処理速度と精度を両立させる技術が求められてきました。

世界初の機械学習駆動型の先端光流体システム

シンクサイトは、GC法を最先端のマイクロ流体細胞分取技術と融合させ、世界初の機械学習駆動型の先端光流体システムを完成させました。この技術は、細胞の蛍光イメージ情報を計測してマイクロ流体中で細胞をリアルタイムに分析することができ、人の目でも見分けることが難しい細胞を高精度で分離・分取することが可能です。また、血中からモデルのがん細胞を分取することを実現しています。
シンクサイトの技術は、光・流体・電気ハードウェアと機械学習ソフトウェアを融合させることでこれらの課題を解決した世界初の画期的な技術であり、創薬研究分野や細胞治療・再生医療分野、医療診断分野においてこれらの技術の応用を進めていきます。

今回の投資資金でプロトタイプ機を用いた事業開発を加速

OUVC1号ファンドは、シンクサイトに対し20184月付で初期投資を実行しました。その後、イメージングセルソーターのプロトタイプ機が完成し、事業会社との共同研究契約の締結及び特許の追加出願など初回投資時に設定されたマイルストーンを達成できたことからシンクサイトへの追加投資を決定しました。
シンクサイトは今回の投資で調達した資金をもとに、創薬研究分野、細胞治療・再生医療分野、医療診断分野においてプロトタイプ機を用いたメーカー等との共同研究による事業開発を行ない、各分野における専用システムの開発を進めていきます

・シンクサイトの概要
会社設立            201622
事業内容            高速イメージングセルソーターの開発・製造・販売
所在地                東京都文京区
代表取締役        勝田 和一郎(かつだ わいちろう)
URL                    https://thinkcyte.com/

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