毬栗の道の歩き方
キャンパスでは、青い毬栗を路上のそこここに見られる季節を迎えている。変わらぬ秋の風景だが、今年の心象風景は、消費税がバイアスを生んでいる。消費税率は1997年に5%、2014年に8%となり、10月からは10%となる。暗算しやすくなった半面で、状況によって課税方法が変わる難しさがある。
私どもが運営しているファンドも投資完了期が迫る変化期に入ってきている。IPOを出口として想定している投資先もあるので、取引市場への関心も深まっている。消費税率の引上げが株式市場にどんな影響を及ぼすのかは興味深いところだ。
新興市場は個人売買が7割を占めている。ジャスダック市場の場合、過去の消費税率引き上げ時前後で個人の買い金額と売り金額がどんな変化を見せたかを見たのが添付のグラフ。
消費税以外の外部条件を無視した場合、IPOが多い新興市場では消費税率引き上げの影響はなかったように見える。他方で税率が上がっても、それを吸収するキャピタルゲイン追求資金が入っている訳でもない現実は、個人投資家の冷静な「市場判断」とどう向き合うかを考えさせられるばかりだ。
2019年10月1日 代表取締役 神保 敏明