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ジェイファーマ株式会社への投資を実行しました

作成者: ouvc_official|2019.7.5

ジェイファーマ株式会社への投資を実行

大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:神保敏明)を無限責任組合員とするOUVC1号投資事業有限責任組合(以下「OUVC1号ファンド」)は、ジェイファーマ株式会社(以下「ジェイファーマ」)(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:吉武益弘)に対し7月5日付で投資を実行しました。

がん細胞に特異的に発現する「LAT1」

ジェイファーマはトランスポーターを標的分子とした医薬品の研究開発を進める会社です。トランスポーターとは細胞膜に存在するタンパク質の一つであり、栄養素の補給や老廃物の排出など細胞内外の物質輸送に関与しています。
ジェイファーマはがん細胞に特異的に発現しているアミノ酸トランスポーター「LAT1」を発見し、がん細胞の増殖等と密接に関係していることを見出しました。この「LAT1」を標的とした抗がん剤やPET診断薬の開発を進めていて、開発パイプラインの一つが胆道がんを対象疾患とした抗がん剤(JPH203)です。

大阪大学金井教授の研究成果、「LAT1」を標的とした医薬品・診断薬を創出

大阪大学大学院医学系研究科の金井好克教授らは、この「LAT1」の機能を阻害する抗がん剤(OKY-034)を創出し、膵がんを対象疾患として臨床試験が実施されています。また、金井教授らは、がん検査用PET診断薬(NKO-028)を発明し、ジェイファーマと共同研究を進めています。金井教授のこれら研究成果もジェイファーマの重要な開発パイプラインです。

難治性がんの治療薬に期待

胆道がんや膵がんは部位別がんの中で男女とも死亡率が高いがんであり、一方で新薬の開発が進んでいないことからアンメット・メディカルニーズの高いがんです。また、これまでのがん検査用PET診断薬はがん以外の部位も光ることでがんの特定が難しい他、がんと炎症部位が区別できないとされている中、ジェイファーマは、既存品の課題を解決すべく、がん検査用PET診断薬の開発を進めています。
新薬の開発によって胆道がん・膵がんなどの難治性がんによる死亡率の低下や既存品の課題解決が期待されるだけでなく、コンパニオン診断薬として患者の特定にも有用であると考えられることから、同社へ投資する社会的意義は大きいと判断しました。

 

・ジェイファーマの概要

会社設立        2005年12月26日
事業内容       トランスポーター(細胞膜タンパク質)を標的とした医薬品・診断薬の開発
所在地            神奈川県横浜市鶴見区小野町75番地1 横浜新技術創造館1号館
代表取締役    吉武 益弘(よしたけ ますひろ)
URL                http://www.j-pharma.com/index.php

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