大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:神保敏明)を無限責任組合員とする、OUVC1号投資事業有限責任組合(以下「OUVC1号ファンド」)は、10月30日付で、株式会社ゴールドアイピー(以下「ゴールドアイピー」)(本社:東京都千代田区、代表取締役:白坂 一)に対し、1億4,000万円の投資を実行いたしました。
ゴールドアイピーの代表取締役社長である白坂一氏は、大阪大学大学院 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻(現)鬼塚真教授と共に、人工知能を用いた特許審査シミュレーションシステムに関する共同開発および特許出願を行なっています。また、同システム開発の責任者である、ゴールドアイピー取締役CTOの三上崇志氏は、2018年10月より大阪大学大学院 情報科学研究科に入学し、鬼塚教授に師事を受けて「グラフマイニングを用いた特許文章の解析/判定」に関する研究を進めています。
ゴールドアイピーは、弁理士とAI技術者によって開発された特許審査シミュレーションシステムである「IP Samurai」を提供しています。人工知能を搭載した「IP Samurai」は発明内容(新しいアイデア)をテキストボックスに入力することで、特許分類付与、先行技術調査、発明の内容理解・認定、特許登録可能性をランク付けすることで、ユーザーの特許調査の負担を大幅に削減することを可能にする特許審査シミュレーションシステムです。このシステムを活用することで、クライアントの知的財産戦略を加速させていきます。
「IP Samurai」は2018年4月に発売された英語版であるα版がトヨタ自動車株式会社のグループ企業であるTTDC(トヨタテクニカルディベロップメント株式会社)を始め9社と契約済みです。2018年11月にβ版である日本語版を発売する予定です。また、特許庁の知的財産インテリジェンスサービス内でも、「IP Samurai」の無料版が開放されており、現在約250人がサービスを利用しています。
鬼塚教授の研究成果であるビッグデータにおけるグラフマイニング技術と、三上CTOの言語解析処理技術を融合させることで、特許文章の解析および特許審査のシミュレーションが可能となりました。この点での技術優位性が高いと判断されます。
OUVCは、ゴールドアイピーの事業計画を審査のうえ、大阪大学の研究成果を活用した特許審査シミュレーションシステムの開発を加速させることにより、日本の優れた知財創出に貢献できる可能性があることで投資する社会的意義は大きいものと判断いたしました。
ゴールドアイピー社は今回、調達した資金で人工知能による特許審査シミュレーションシステム「IP Samurai」の性能を向上させると共に、研究者、弁理士だけではなく、個人でも容易に特許関連業務が行なえるように特許調査業務のプラットフォーム化を推進させます。
・ゴールドアイピーの概要
会社設立 2015年9月11日
事業内容 知的財産関連IT・分析サービスの提供
所在地 東京都千代田区大手町1‐6‐1大手町ビル4階
代表取締役 白坂 一(しらさか はじめ)
URL http://goldip.co.jp/