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「ペリオセラピア株式会社」への投資を実行しました

作成者: ouvc_official|2023.10.30

「ペリオセラピア株式会社」への追加投資を実行

 大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(代表取締役社長:清水速水、以下「OUVC」))を無限責任組合員とするOUVC1号投資事業有限責任組合(以下「OUVC1号ファンド」)は、ペリオセラピア株式会社(代表取締役社長:栃原洋介、以下「ペリオセラピア」)に対し、9月28日付で210百万円の追加投資を実行しました。OUVC1号ファンドはペリオセラピアに対してこれまで4回の投資実行をしており、今回5回目の投資により総額10億円の投資実行となります。

 

大阪大学谷山特任教授の研究成果を社会実装化

 ペリオセラピアは、当時大阪大学医学部臨床遺伝子治療学講座兼老年・総合内科准教授(現特任教授)であった谷山氏が2017年10月に設立した阪大発の創薬ベンチャーです。細胞外マトリックスタンパク質として心臓弁形成や創傷治癒等に関与しているペリオスチンにおいて、病的なペリオスチン変異体(以下「病的ペリオスチン」)が乳がん、糖尿病性網膜症、心筋梗塞など様々な難治性疾患に関与することを解明し、それらをターゲットとして医薬品の開発に取り組んでいます。

 特に、同社は乳がんの中でも治療が難しい「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)」に病的ペリオスチンが強く関与していることに着目し、TNBCを含む転移再発HER2陰性乳がんを第一適応症に選定して抗体医薬品の開発を進めています。TNBCは若年の女性が罹患しやすく、また5年生存率が5割以下という悪性度の高さから、新規治療薬の早期開発が望まれています。

 また、治療薬と併せてコンパニオン診断薬の開発にも取り組んでおり、開発する治療薬の治験成功確率の向上(病的ペリオスチン高発現患者の確認)及び、効率的なパイプライン拡充(候補疾患と病的ペリオスチンとの相関データ活用)を目指しています。

 

今回の投資資金により、TNBCを含む転移再発HER2陰性乳がんの治験を開始する予定

 ペリオセラピアでは今回のシリーズDで調達した資金をもとに、TNBCを含む転移再発HER2陰性乳がんの治験を開始する計画です。今回のラウンドではOUVC1号ファンドとともに、シリーズAから引き続き三菱UFJキャピタル株式会社(代表取締役社長:葛西洋一、本社:東京都中央区)と千島土地株式会社(代表取締役社長:芝川 善行、本社:大阪府大阪市)がペリオセラピアの増資を引き受けています。

 ペリオセラピアの事業は、乳がんを初めとする様々な難治性疾患に苦しむ患者を一人でも多く救うことを目指すものであり、社会的な意義が大きく継続して支援を行っていきます。

 

 

ペリオセラピアの概要