大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:清水速水)を無限責任組合員とするOUVC 2号投資事業有限責任組合(以下「OUVC 2号ファンド」)は、株式会社JiMED(以下「JiMED」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:中村 仁)に対し、2月28日付で150百万円の投資を実行しました。
JiMEDは大阪大学大学院医学研究科・平田雅之教授らが長年研究してきた体内埋込型BMI(※)の社会実装を担う大阪大学発の医療機器ベンチャーとして、2020年3月に設立されました。
※BMI…ブレイン・マシン・インターフェイス(脳情報によって機械を操作するデバイス)のこと
JiMEDの開発するBMIは利用される患者の脳波を読み取ることにより、表示デバイスを介して発声やジェスチャーによるコミュニケーションが困難な方とも意思疎通が可能となります。これまでに完全四肢麻痺のALS患者を対象とした臨床試験研究においてロボットハンド制御・意思伝達装置操作による文章作成に世界で初めて成功しており、会社設立以降機器の開発、性能改良に取り組んできました。
平田教授らの研究は大阪大学の起業支援施策である「起業プロジェクト育成グラント」に採択され、阪大・OUVCのバックアップのもと埋込型BMIの開発に取り組んできました。2020年11月には大阪大学平田研究室と長年共同研究を行ってきた日本光電工業株式会社(以下「日本光電」)による資本参加を受け、治験に向けた製品開発をさらに加速させています。OUVC 2号ファンドは2021年3月にみずほライフサイエンス1号ファンドとともにJiMEDへ投資を実行しており、今回は2回目の投資実行となります。前回投資以降、OUVCからは取締役を派遣し、ハンズオンで支援を継続してまいりました。
JiMEDは今回調達した資金を活用して、治験機器の量産試作評価ならびに製造を進めていきます。OUVCはJiMEDのBMIが社会に実装されることによりALS患者の皆様をはじめ、多くの方々のQOLを向上させると考えております。また将来的には運動補助や、メタバース等における次世代型インターフェースへの応用など発展性の大きい事業であると考え、同社に対する投資を決定しました。今後も引き続きハンズオンで支援を継続してまいります。