「ネクスファイ・テクノロジー株式会社」への投資を実行しました
「ネクスファイ・テクノロジー株式会社」への投資を実行
大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:清水 速水)を無限責任組合員とするOUVC2号投資事業有限責任組合(以下「OUVC2号ファンド」)は、ネクスファイ・テクノロジー株式会社(以下「ネクスファイ・テクノロジー」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:中村 孝)に対し、12月17日付で50百万円の投資を実行しました。
「SiC半導体による高電圧高速スイッチモジュール機器」を開発
ネクスファイ・テクノロジーは、大阪大学大学院工学研究科・舟木剛教授の研究成果を活用して、パワー半導体として普及しつつあるSiC(シリコンカーバイド)を直列接続し、高電圧下で高速スイッチが可能な高電圧高速スイッチモジュール技術を開発する大阪大学発のベンチャー企業です。
半導体モジュールは電気を通したり止めたりしてON/OFF(スイッチ)する基礎デバイスです。ネクスファイ・テクノロジーはこれまで実現していなかった高電圧帯(風力発電などの再生エネルギー分野、半導体製造装置・医療機器等の精密機器、放射光加速器等の高エネルギー分野)において高速にスイッチする技術をSiC半導体で実現しました。
今回の技術のポイントとなるのが、光信号によるスイッチ制御を行うことです。従来の電気信号によるスイッチ制御では直列接続された各半導体モジュール間でスイッチに時間差が生じ、絶縁破壊(各モジュール間の電圧バランスが崩れることによる破壊)が生じるリスクがありましたが、光信号によるスイッチ制御を行うことで各モジュール間でのスイッチを時間差なく同期的に行うことに成功し、絶縁破壊なく、多数のSiC半導体モジュールを直列接続して耐電圧性を高め10kV以上の高電圧の電流を高速スイッチできる半導体モジュールを実現しました。
ネクスファイ・テクノロジーが有する放熱・絶縁等の技術力により約15cm四方とコンパクト化も達成しております。
今回の技術によりこれまで半導体モジュールによる電力スイッチ制御が進んでいなかった高エネルギーを要する機器のSiC半導体モジュールによる高速スイッチ制御が可能となります。ネクスファイ・テクノロジーは、SiCパワー半導体の活用領域を広げ、またSiCは省エネ性にも優れることから脱炭素社会にも貢献できるベンチャー企業です。2021年6月設立でありながら、大手企業や研究機関と協業し、製品化に向けて用途開発に取り組んでいます。
■主たる事業領域
■ コア技術
今回の投資資金により、製品開発を加速させる
ネクスファイ・テクノロジーでは、今回調達した資金を活用して、開発済みの10kVを超える高電圧高速スイッチモジュールを基本ユニットとした高電圧機器向けの電源開発などに取り組みます。
OUVCは継続してハンズオン支援を行い、事業成長に向けた様々な支援を実施いたします。
ネクスファイ・テクノロジーの概要
会社設立 | 2021年6月 |
事業内容 | SiC半導体による高耐圧パワーエレクトロニクス機器開発 |
所在地 | 大阪府吹田市 |
代表取締役 | 中村 孝 |
URL | https://www.nexfi-tech.com/ |
OUVC2号ファンドの概要
ファンド名称 | OUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド) |
ファンド規模 | 106.5億円 |
運用期間 | 2021年1月1日~2032年12月31日(最大3年の延長可) |
投資対象 | 大阪大学並びに他の国立大学の研究成果を活用したベンチャー企業 |
有限責任組合員 | 大阪大学、国内金融機関・事業会社 |
無限責任組合員 | 大阪大学ベンチャーキャピタル |