それでも春の草花は色とりどり
足元を見ても、視線を上げても多様な色の花が咲く季節を迎えている。自然の、次の展開を信じた営みは続いている。ヒト社会の先行きを見通すのが難しいのは常なる事だが、前提条件が急速に変化している場合は尚更だ。歴史は繰り返されるが、その様相は毎回異なるから経験の単純な適用も難しい。
現象として近似しているのは2008年のリーマンショック期。大手証券会社が破綻した週を境に、世界の株価は下げに向かった。売り圧力が、買いを圧倒的に凌駕した。日本でも、小型株を含む株式市場全体が下げに転じた。
COVID-19が社会問題化して「緊急事態」が宣言された今年4月1週と、2008年9月第2週を同期させたジャスダック市場の個人買い金額動向を比較した。これを見ると、今回は増加に転じている。
経済活動をヒトとモノの流れで見ると、2008年に阪神高速の通行量は緩やかな減少に転じたが、今回は自粛要請もあって3割近い減少となっている。
小型株市場は6割が個人資金。リーマン期には解決の糸口が見えずに売りが嵩んだが、今回は終息後への期待が先行しているかに見える。株式市場は将来を反映する、というのが真理ならば、いま、の状況をいかに乗り切るかがスタートアップにとっての正念場という事になる。期待を繋げることができる動向ではないか。
2020年5月1日 代表取締役 神保 敏明