変化が生む新たな課題
世間の動きは思わぬ事をきっかけに、瞬く間に変わり行く。思わぬ動きが潮目の変化として見えてくるのをどう見出すかで、今後の読みが違ってくるのだろう。3月は多くの法人で「年度末」を迎える。12月と並んで、新たな取り組みを準備する月になる。潮目の変化を見つけやすい月にも思える。
3月末までのIPOが発表されている。VCファンドが株主に名を連ねている銘柄比率は46%。2003~2004年には70%を超えていた。2019年で52%だったので、その比重は低下している。ファンド本数6本以上の相乗り型も影が薄い。この間にIPO企業の社齢に大きな変化はないので、急成長企業でもVC以外の資金源を活用している事例が増えている。
今年はまだ1/4が経過したに過ぎないが、この段階でのVC株主ゼロ企業のIPO比率は53%。昨年は48%だった。IPO企業の平均社歴は20年+-3年を出たり入ったりで変化は少ない。企業沿革で社長が創業者である比率もまた。異なるのは、子会社と同族企業の比率が高まっている点だ。
既存の事業者が、保有していた事業の高度化や見直しなどを通じて新展開を目指した事業が飛躍期に入ったのだとすれば、それも新たな変化には違いない。旧来型VCにとっては、開拓すべき新たな対象が増えることになる。
2020年3月1日 代表取締役 神保 敏明