節分に聞こえてくる声援は
ニッパチの前哨月が巡ってきました。近時、底上げ効果を生んでいた春節も今年は1月に終息し、新型肺炎の心配もあります。そんな懸念月ですが、事業環境の傾向では別の風景も浮かび上がります。
ここでは雇用保険の適用事業所数を見ます。大阪で件数が多いのは職業安定所管内別で大阪東、梅田、大阪西です。いずれも、その数は高水準で推移しています。梅田管内の時系列推移をグラフに示しました(紺色折線)。
この推移では、事業所数が高水準で推移しているのが分かります。これに梅田地区の、三鬼商事が公開しているオフィス空室率(赤色折線)を重ねると、直近ではオフィスが逼迫状況にあるのが見て取れます。2008年のリーマンショック前やその後の欧州危機前には空室率と事業所数には乖離がありました。
前々回、空室率が逼迫していた2007年末にかけての日経平均は1万6千円近辺。ジャスダックは1,700円近辺でした。直近では日経平均が2万4千円を窺い、ジャスダックは4,000円に迫ってきました。変化率で見れば、大企業主導だったオフィス需要に変化が出てきていると言えます。空室率と事業所数の乖離と接近の要因が見えてくるようでもあります。
短期的に2月だから悲観するのではなく、トレンドから見て産業の担い手が代わってきていると理解すれば、OUVCへの声援にも聞こえて来ます。
2020年2月1日 代表取締役 神保 敏明
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